ワークフローシステム導入の落とし穴 ― “現状の業務そのまま”で失敗する企業の共通点

ワークフローシステム導入の落とし穴 ― “現状の業務そのまま”で失敗する企業の共通点

株式会社Backpedal バックペダル コラム ワークフロー ワークフローシステム IT活用 業務効率化 導入の落とし穴 導入効果最大化 業務のムダ 業務フロー

「業務の効率化を進めるために、ワークフローシステムを導入しよう!」
そう決めた企業の中には、導入したはずなのに期待した成果が出ないというケースが多々あります。

その原因の多くは、「今の業務フローをそのままシステムに落とし込んでしまった」ことにあります。
ワークフローシステムは、あくまで業務をスムーズにするためのツール。
“現状の業務” をそのままデジタル化しても、実はうまくいかないことが多いのです。

今回は、ワークフローシステム導入で陥りがちな落とし穴を解説し、導入効果を最大化するためのポイントをお伝えします。

ワークフローシステム導入の落とし穴はこれ

落とし穴①:現状業務をそのままデジタル化する

「今の業務の流れをそのままシステムに載せればOK」
そう考えてしまうのは大きな間違いです。

なぜそのままではダメなのか?

  • 現状の業務にはムダが多い
    →紙やメールでのやり取りをそのまま電子化しても、本質的な業務改善にはならない
  • システム導入がむしろ複雑化を招く
    →ルールが増えて柔軟性が落ちる
  • 業務フローが非効率なまま
    →業務フローの見直しなしでは、新しい業務効率化が実現できない

例えば、紙での承認フローをそのままワークフローシステムに載せた場合、紙運用ならではの“融通が利く”フローがシステムの制約でかえって非効率になることがあります。

システム導入の前に、業務のムダを洗い出し、シンプル化することが重要です。

落とし穴②:「すべてシステム化すればいい」と思い込む

「どうせなら、すべての業務をワークフローシステムに統一しよう」
この考え方は、必ずしも正解ではありません。なぜなら、ワークフローシステムに適さない業務もあるためです。

ワークフローシステムは強力なツールですが、すべての業務に適しているわけではありません。
例えば、頻度が極端に低い業務や、一度の対応ごとに内容が大きく変わる業務は、システム化するメリットが少ない場合があります。

とはいえ、「統一感がなくなるのは嫌だ」というのも理解できます。
その場合は、以下のように考えるとよいでしょう。

  • システム化するコストと、運用負担を天秤にかける
  • ノーコードのシステムなら比較的低コストで統一感を持たせられる
  • 「紙のままでいい業務」と「システム化すべき業務」の線引きを明確にする

「統一感」と「実際の運用負担」のバランスを取ることが、賢いシステム活用につながります。
また、ノーコードで簡単に画面作成できるなら、たとえ年1回の業務でも、システム化するメリットがある場合もあります。

導入を成功させるためには?

①業務フローの棚卸しをする

  • 現状の業務プロセスを可視化する(どこにムダがあるのか?)
  • 業務をシンプル化できるかを検討する(ルールを減らせないか?)
  • システム導入後の運用フローを想定する(導入後の業務負担はどうなるか?)

②「何をシステム化すべきか?」を見極める

  • 頻度が高い業務はワークフローシステムに組み込む
  • 頻度が低い業務は、統一感とコストのバランスを考えて判断
  • 運用の手間を増やさないように設計する

💡頻度・影響・コストの3つの軸で判断すると良い

  • 頻度:月に何回発生するか?
  • 影響:業務全体にどの程度のインパクトがあるか?
  • コスト:システム化するための負担(工数・コスト)は妥当か?

頻度・影響・コストのバランスを見極めながら、「システム化すべき業務」と「紙やExcelのままでも良い業務」を適切に仕分けることが重要です。

③導入後の運用体制を整える

  • 現場が使いやすいルールを作る(管理者だけが便利にならないようにする)
    →現場が使いにくいと、結局メールや口頭でのやり取りに戻るケースもある
  • 運用後のPDCAを回し、改善を重ねる
  • 導入時点で「システムを使うための業務」にならないように注意する(システムを業務に合わせる考えを排除)

ワークフローシステムは目的ではなく手段

ワークフローシステムを導入する目的は、「業務の効率化」「社内の情報整理」「生産性向上」など、企業によって異なります。

しかし、共通して言えることは、ワークフローシステム自体が目的になってはいけないということ。
導入する際には、
業務の見直しをセットで行う
システム化する業務としない業務を適切に選定する
システム導入後の運用まで考慮する

これらを意識し、単なるシステム導入ではなく、業務改善の手段として活用することが成功のカギとなります。

ワークフローシステム導入を検討している場合は、まず業務の棚卸しと適用範囲の見極めから始めてみましょう。


今回の記事では、陥りがちな落とし穴と、効果を最大化するためのポイントをお話いたしました。

ITのお悩みは、ぜひBackpedalまでご相談ください。

Backpedalの提供サービス
✅️ ワークフロー最適化支援
👉 ワークフローシステム×業務効率化・業務改善
✅️ IT戦略策定
👉 中長期的な伴走支援でITの方向性を決定し、IT戦略を策定
✅️ IT顧問
👉 日常のITの悩みの相談役として、企業の成長へ貢献