DXの目的化が企業をダメにする―経営戦略とつながるDXとは?

「DXに取り組めば、会社として更に成長できる」
そんな幻想にとらわれていませんか?
実際、DXはビジネスに大きな変革をもたらします。
しかし、目的が曖昧なまま導入を進めると、本来の経営戦略とズレたDX導入になってしまうケースが多いです。
本日は、DX導入の目的がいかに重要なのかを解説いたします。
目的を見失うとどうなる?
例えば、こんな話を聞いたことないでしょうか?
- 売上を伸ばしたいはずなのに、ワークフローシステムの導入にリソースを割いてしまう
- コスト削減のつもりが、高額なDXツールの導入で逆にコストが増えてしまう
- “とりあえずデジタル化”が目的になり、本当に必要な業務改善が後回しになる
これらはすべて、「DXの目的化」が引き起こす問題です。
DXは手段であり、目的ではありません。DXに限らず、すべてのITはただの手段です。
経営戦略に沿った形でITを活用できなければ、どれだけ最先端のツールを導入しても、期待した成果は得られません。
攻めのDX? 守りのDX? ― 本当に経営戦略とつながってる?
DXに取り組む前に、まず整理すべきなのは、「今、自社が取るべき戦略は攻めか?守りか?」という視点です。
✔ 攻めのDX(売上向上・新規事業開拓)
- CRMやMA(マーケティングオートメーション)で売上拡大
- データ分析基盤を活用し、戦略的な意思決定
- AI活用による新規事業開発
✔ 守りのDX(コスト削減・業務効率化)
- RPAでバックオフィス業務を自動化
- ワークフローシステムで業務プロセスを最適化
- クラウド化でインフラコスト削減
このように、DXは 「攻め」か「守り」かで選ぶべき施策が大きく変わります。
しかし、多くの企業がこの整理をせずに、「DXをやること自体が目的」になってしまっているのです。
「デジタル化すれば効率が上がるはず」と、なんとなくツールを導入し、後になって「本当に必要だったのは営業力強化だった…」と気づく企業も少なくないです。
DXの落とし穴 ― 経営戦略とDX導入のズレ
なぜこのようなズレが生じるのでしょうか?
それは、経営・現場・ITそれぞれの視点がバラバラだからです。
このズレを埋めないと、次のようなことが起こります。
ある企業で実際にあった例です。
紙で運用していた申請業務を電子化する取り組みがあり、運用は現行のままで手を入れず、電子化のみを行いました。
しかし、申請内容によるパターン分岐が多く、かつ、複雑だったため、電子化する際にシステム設定が難航しました。そうして苦労して設定したのですが、紙運用であれば臨機応変に対応できていたことが電子化による制約の影響で、以前よりもかえって手間がかかってしまう羽目に。
電子化するよりも先に、まずは業務フローの簡略化や統一化を図るべきだったのです。
今こそ見直すタイミング ― 経営戦略 × DX戦略の整合性
DXを成功させるためには、次の3つの視点を持つことが重要です。
✔ ① 経営目標とIT戦略の整合性をチェックする
- 目標は「売上アップ」なのか、「コスト削減」なのか?
- そのDXはその目標に直結しているか?
✔ ② 目的を明確にしてからツールを選定する
- 「流行っているから」「他社がやっているから」ではなく、本当に自社に必要か?
- ツール導入後のビフォー・アフターを具体的にイメージできているか?
✔ ③ DXの目的を「業務変革」にする
- 現状の業務プロセスにおいて、本当に必要な変革は何か?
- 業務プロセスの変革と、DXを組み合わせることで、「どの業務が」「どのくらい」改善されるのか?
この基本を押さえておかないと、「とりあえず導入したけど使われないDX」になってしまうでしょう。
「DXは取り組むことが目的ではなく、経営目標を達成するための手段」
基本的な話ですが、実際にできていない企業は非常に多いです。
「うちのDX、経営戦略とズレてないか?」
「攻めるべきか、守るべきか、はっきりしてるか?」
「DXが目的になってないか?」
「そもそも、そのDXは 本当に必要か?」
「“他社がやってるから”、“流行ってるから”ではなく、自社の成長に直結するのか?」
DXを成功させるか、それとも形だけのDXで終わるか。
それを決めるのは、経営戦略とDXをどうつなぐかです。
経営戦略 × DX戦略の整合性、今こそ見直してみませんか?
今回の記事では、DX導入の目的がいかに重要なのかについてお話いたしました。
DXのお悩みは、ぜひBackpedalまでご相談ください。
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