「AI導入すれば解決」は本当?得意なこと・苦手なこと

「AI導入すれば解決」は本当?得意なこと・苦手なこと

株式会社Backpedal バックペダル コラム AI 得意なこと 苦手なこと AI活用

AIは何でもできる? それとも…?

最近、ChatGPTをはじめとする生成AIが話題になり、「AIで何でもできてしまうんじゃないか?」 という期待が高まっています。そう思うのも無理はないくらい、毎日AI関連のニュースが飛び交っていますね。
生成AIを使った画像や人を使って、広告を作るなんてことも当たり前のように行われています。
でも実際には、AIは 得意なこと・苦手なことがハッキリ分かれるんです。

そこで今回は、AIが得意なこと、苦手なこと、それらを踏まえた最適な活用方法を解説します。

AIは何ができる?

AIは、過去のデータから特徴を抽出し、統計的なパターンを見つけるのが得意です。
だからこそ、「未来の予測」や「異常の検知」も高精度で行えます。
具体的には、こんな分野で活用が進んでいます。

  • データ分析・レポート生成(市場トレンド分析、需要予測)
  • 文章・画像生成(広告文の自動作成、デザインの補助)
  • 異常検知・リスク予測(不正検知、設備の故障予測)

人間がインプットしようと思うと途方に暮れてしまうような膨大なデータを学習し、自身でパターンを抽出します。そのパターンをもとに、最もらしい正解を導き出すのが、今注目度の高い文章や画像生成の仕組みです。

また、異常検知の分野では、道路などの状態を画像認識技術と組み合わせ、異常のある箇所を発見することに役立っています。
自動運転技術と組み合わせると、あらゆる道路を自動運転で走り、道路状態を確認、そして異常箇所を検知する、ということが実現します。
人手ではかなり労力のかかるようなことも、AIを駆使すれば効率化できるのです。

また、すべてをAIに任せるだけではなく、「AI×人間の協働」という形もあります。
例えば、

  • マーケティング
    →AIがデータを分析し、人間が戦略を立案
  • ライティング
    →AIが文章の叩き台を作り、人間が仕上げる
  • 営業
    →AIが見込み顧客を抽出し、人間が商談を担当

AIの得意分野は、もう人間がやる必要はありません。AIに任せる方が精度も高く、効率的なのです。

では、人間にできて、AIにできないことはあるのでしょうか。

AIにできないことってある?

「AIがすべての仕事を奪う」なんて言われることもありますが、実際にはAIにはまだできないこともたくさんあります。

AIができないことには、「今後改善の余地があるもの」「本質的に難しいもの」 の2種類があります。
例えば、経験や勘を活かす判断は、数値化・データ化が進めば改善する可能性があります。
しかし、倫理観や価値観の形成は、そもそも正解がないため、本質的に難しいのです。

  • 創造性のある思考(ゼロからのアイデア創出)
    →過去のデータから最もらしいアイデアは出せるが、その域を超えるような創造性的な思考は、本質的に難しい。
  • 経験や勘を活かす判断(人間特有の直感)
    →AIは、数値化やデータ化ができればインプットできるが、経験や勘などは、そもそも数値化やデータ化しにくいため、今はまだ難しい。また、過去のデータにないことについて予測することも、まだまだできない。(例:コロナのようなパンデミックの発生等)
  • 感情を伴うコミュニケーション(交渉・カウンセリング)
    →学習したデータから最もらしいことは選択できるが、それが一人ひとりの感情に寄り添ったものになるかはまた別の話であるため、本質的に難しい。
  • 倫理的な判断・価値観の形成(ビジネスの意思決定)
    →倫理観や価値観は、時と場合によってまったく別のものになるため、本質的に難しい。

AIは“最適解を導く”のは得意ですが、“正解がない問い”に対する判断は苦手です。

  • 経営判断
    →「売上最大化」だけでなく、「企業の価値観」や「社会への影響」を考慮することは難しい。
  • クリエイティブな仕事
    →過去のデータに基づいたアイデアは出せるが、斬新な発想は難しい。
  • 人間関係の構築
    →AIは共感してるような、感情を持っているようなことはできるが、実際には感情を持っている訳ではない。

AIにも苦手なことがあるということです。
あくまで学習データは人間が用意しているので、人間の概念を超えることはまだできません。(“まだ”、ですが、、、)

AIとどう共存する?

AI活用のポイントは以下です。

  • AIに「考えさせる」のではなく「処理をさせる」
  • AIに「任せられる部分」を明確にする
  • 人間とAIの適切な役割分担を設計する

AIは確かに強力なツールですが、万能ではありません。
「AIに考えさせる」のではなく、「AIに処理をさせる」 という視点が大切です。
この違いを理解し、うまくAIを活用する企業とそうでない企業では、今後の生産性に大きな差が出るでしょう。
AIの得意な領域を活用し、人間が価値を発揮すべき領域を明確にすることで、AIと協働しながらより大きな成果を生み出せるはずです。

AIを活用すれば、これまでできなかったことができるようになってしまうこともあります。確かにAIは魔法のように感じるかもしれません。しかし、実際には得意なことと苦手なことが明確に分かれています。
AIに対する期待が高まるのは自然なことです。だからこそ、特徴を正しく理解し、活用方法を見極めることが重要です。


今回の記事では、AIが得意なこと、苦手なこと、それらを踏まえた最適な活用方法について解説いたしました。

ITのお悩みは、ぜひBackpedalまでご相談ください。

Backpedalの提供サービス
✅️ ワークフロー最適化支援
👉 ワークフローシステム×業務効率化・業務改善
✅️ IT戦略策定
👉 中長期的な伴走支援でITの方向性を決定し、IT戦略を策定
✅️ IT顧問
👉 日常のITの悩みの相談役として、企業の成長へ貢献