もっとIT投資しませんか?〜IT投資に対する考え方の違いを日米比較〜

あなたの会社は、十分なIT投資できてますか?
「ITにコストをかけるのが怖い」「無駄になるかも」なんて思っていませんか?
日本企業は、IT投資を抑えがちですが、それって本当に合理的なのでしょうか?
ITは、適切に活用すれば、 コストではなく、利益を生む投資になるはずなんです。
なぜ日本企業ではIT投資が進まないのでしょうか。そして、IT投資が活発なアメリカ企業との違いはどこにあるんでしょうか。
今回は、日米でのIT投資に対する考え方の違いについてお話いたします。
日本はどのくらいIT投資してる?
日本企業がどれだけIT投資しているのか知ってますか?
日本企業は、平均で売上高比1%程をIT投資に使っていると言われています。
野村総合研究所「日本企業のIT投資はなぜ低いのか」
https://www.nri.com/jp/media/column/scs_blog/20240307_1.html
日本企業の多くは、ITに対する考え方として、「投資」ではなく「コスト」と捉えてしまっているように見受けられます。ITへの資金投入自体にすごく消極的な印象です。
本来ITは、課題解決の手段の一つです。正しく活用すれば、課題解決へ導くはずのツールなのですが、なぜ消極的になってしまうのでしょうか。
それは多くの企業が、
「IT導入後に上手く活用できず、思い通りの成果が得られない」
という経験をしているためです。
一度そういった経験をしてしまうと、資金投入に消極的となり、「コスト」と捉えてしまうのも理解できます。
また、以下のような日本独特の要因もITへの消極性を助長しています。
- 業務のやり方を変えたくない(変化を嫌う)
- 経営層のITに対する理解・リテラシー不足
- 推進できる人材がいない(社内に責任者がいない)
- 短期間で投資対効果が望めるものを優先する
IT投資に消極的なままで本当によいのでしょうか。
アメリカのITに対する考え方
では、アメリカの企業は、どれだけIT投資をしているのでしょうか。
アメリカの中小企業は、平均で売上高比7%程をIT投資に使っていると言われています。
RPA ONE「米国中小企業のIT投資動向」
https://www.rpaone.jp/about/us_smb_tech_invest?utm_source=chatgpt.com
中小企業でさえ7%ですから、大企業になるともっとIT投資比率が高いと推測します。
アメリカでは、ITに対する関心が高く、積極的な印象があります。また、ITの用途は、生産性向上や業務効率化だけでなく、マーケティングや製品開発など、売上拡大のための資金投入にも積極的です。
たとえば、世界的大企業のAmazonは、「利益を残すのではなく、投資する」という考えを持っているそうです。
Amazonは、1990年代後半から、ITインフラ、物流、AI、クラウド、電子書籍、エンタメなど多岐にわたる分野に先行投資してきました。特に、ユーザー体験の向上を目的に行ったITインフラ(ECサイトやクラウド基盤)と物流への投資は、長期的な成長の柱となり、今もなお利益を再投資し続ける戦略が特徴的です。
ITを徹底活用することで競争力を圧倒的に高めてきた。
この「投資重視」の姿勢が今のAmazonを形作っていることは明白ではないでしょうか。
こうしてAmazonの例やIT投資比率に関するデータを見ると、アメリカ企業は「ITを投資として活かせば、成長に直結する」 という考え方が根底にあるということがわかります。
日本の企業は以下の点を参考にすべきかもしれません。
✅ ITを「コスト」ではなく「競争力を高める投資」と考える
✅ 利益を残すよりも、事業成長のために先行投資
✅ ITで業務を自動化し、成長にフォーカスする仕組みを作る
IT投資を行うのは大企業だけなのか
Amazonの例を知り、「Amazonは大企業だからでしょ?」と思ってませんか?大企業だろうが、中小企業だろうが関係ありません。
むしろ、中小企業こそIT投資で競争力を強化できます。
いきなり大規模なIT投資でなくてもいいんです。小規模なIT投資でも大きな効果を生む可能性は大いにあります。
アメリカの中小企業が売上高の7%をIT投資に使っている理由はそこにあるのではないでしょうか。
たとえば、以下のような小規模なIT投資で効果が期待できます。
- 業務の見える化 → BIツール
- 書類業務の効率化 → ワークフローシステム
- 顧客管理の強化 → CRM導入
- 営業活動の自動化 → MAツール活用
まずは、「業務のどこに無駄があるか」を見つける。そして、それを解決できるITツールを適切に選定する。
ITツールの選定や導入のハードルが高ければ、外部の専門家に相談するのも一つの手です。
「IT投資=コスト」ではなく「生産性向上・利益を生む手段」として捉えることが重要となります。
「うちの会社にはどんなITが必要?」
「どこに投資すれば効率化できる?」
こういった疑問をクリアにすることで、ムダなIT投資を防げます。
ITを存分に活用して、人手不足を補い、業務効率化を進めたり、ユーザー体験の向上を図ったり。
そうした取組を実施することが企業の存続や成長の鍵となるでしょう。
「コスト」から「投資」へ
いかがでしたでしょうか。
日本とアメリカでは、ITに対する考え方まるで違うように感じたのではないでしょうか。
日本企業のIT投資が遅れているのは、意識の違いが大きいです。ITは 「コスト」ではなく「投資」です。考え方を少し変えるだけで、 ITを強力な武器にできます。
まずは自社の業務を見直し、小さなIT投資から始めてみませんか?
IT投資を先送りにすることは、成長の機会を逃すことになるかもしれません。
競争力を維持するために、今こそ一歩を踏み出しましょう。
今回の記事では、日米でのIT投資に対する考え方の違いについて解説いたしました。
ITのお悩みは、ぜひBackpedalまでご相談ください。