ノーコードシステムとは?その特徴と秘められた可能性

「誰でも簡単にアプリが作れるって本当?」
近年ますます注目度が高まり、多くの企業で利用されている“ノーコードシステム”をご存知でしょうか。
本日は、ノーコードシステムとは何か。その特徴と、秘められている可能性についてお伝えします。
ノーコードシステムとは
ノーコードシステムとは、製品内に備えられた機能をドラッグ&ドロップ等で組み合わせて、オンライン画面の作成や簡易なアプリの作成を行うことができるシステムを指します。
“ノーコード”というのは、コード(プログラム)を書かないという意味になります。
簡単に画面やアプリをできるその手軽さから“誰でも簡単に使えます”というのが売りとなるシステムです。
AI等の高度なIT技術の発展により、「数年後には特定の分野でプログラマーの需要が落ちる」なんて声が一部でも上がっている時代です。プログラムを書ける人材よりも、ノーコードシステムを完璧に使いこなす人材が重宝される時代の到来が近いのかもしれません。
ノーコードシステムの特徴
①誰でも簡単に使える
前章で述べた通り、ドラッグ&ドロップ等で組み合わせて直感的に画面やアプリを作成できます。
たとえば、アンケート画面を作りたいと思えば、何かを入力させる必要があるな。選択肢から一つ、または、複数選択して欲しいな。などがパッと浮かぶと思います。
そういった場合には、テキストボックス、チェックボックス、ラジオボタン、プルダウン、などをドラッグ&ドロップするだけです。設問を書いて、選択肢を埋めて、それでオンラインのアンケート画面が完成します。
本当に簡単です。誰でも使えそうな気がしませんか?
②豊富な機能を組み合わせることでやりたいことを実現できる
プログラムを書かない代わりに、そのシステム自体には元々多くの機能を備えています。それらの機能を組み合わせることで、こういう画面・アプリにしたい、が実現できます。
たとえば、〇〇を実現したい。多くの機能から探したけど、ぴったりの機能が見つからない。
そういった場合に、A機能とB機能を組み合わせれば、〇〇を実現できる、もしくは、〇〇に近しいことが実現できる、なんてこともあります。ああでもないこうでもないと試行錯誤して、機能を組み合わせて、やりたいことを実現できます。
システム開発経験がない方でも凝った画面やアプリが作成できるので、人によってはそれ自体が楽しいと達成感を覚える方もいるくらいです。
③圧倒的な低コストで利用できる
システム開発会社に外注するのではなく、既にノーコードシステムとして完成しているシステム上に、画面やアプリを作成するため、莫大なシステム開発コストも、開発後に維持管理するための運用保守コストも、かなり抑えられます。
たとえば、一からシステムを開発するとなると、リーダー1人(月単価100万)とメンバー2人(月単価50万ずつ)で構成された場合、安くてもひと月で200〜300万の開発コストはかかります。ひと月でシステムが完成することはまずなく、早くても3ヶ月はかかるので、およそ600〜900万は最低でもかかるでしょう。
開発規模や開発期間によってピンキリですが、これが一般的な範囲と考えられます。また、開発コストだけではなく、開発完了後の運用保守としてさらにコストがかかることがほとんどです。
一方で、ノーコードシステムを利用する場合は、初期導入コストや運用コストが大幅に抑えられます。利用する製品や形態(月額利用のWebサービスやパッケージ製品など)により異なりますが、一から開発を行う場合と比較すると1/5〜1/10程度に抑えられます。
運用保守は、自社で担うことでコストも抑えられます。ノーコードシステムは、大抵の場合、製品サポートへの問い合わせが可能なため、多くの場合は自社で運用可能です。
利用するシステムによっては、利用ユーザー数に応じて従量課金となりますが、それでも圧倒的に低コストです。
これらの特徴を活用することで、ノーコードシステムにはさらなる可能性が期待されます。
ノーコードシステムが秘めた可能性
ノーコードシステムには、システム活用に新たな時代を到来させる可能性が秘められています。
「誰でも簡単に画面やアプリを作成できる」
これは、世界中にスマートフォンを普及させるキッカケとなったiPhoneのコンセプトと酷似しています。
iPhoneが「どんなケータイより賢く、超カンタンに使える」というコンセプトで世界中にスマートフォンを普及させたように、ノーコードシステムもその直感的な操作性で、システム開発をより多くの人々に開放する可能性を秘めています。
たとえば、今後AIを活用したチャットボットやデータ分析ツールをノーコードで誰でも簡単に構築できる時代が来るかもしれません。
AIを中心に、今後もますますIT技術が発展していく中でも、高度なことすべてをプログラミング不要で利用できるシステムやITツールがどんどん普及するのではないでしょうか。
今よりもより高度なAI技術を当たり前にノーコードで利用できるようになれば、それらを活用した新たなビジネスモデルも創出されるでしょう。
今よりも一層便利な世の中になるかもしれません。
これからはいかにシステムを活用できるかが重要
いかがでしたでしょうか。
従来、何かシステム導入して課題解決したいとなった際は、システム開発会社に外注して、様々な仕様を実現してもらうのが当たり前の世の中でした。
ノーコードシステムの登場により、画面やアプリを自分たちで作成し、自分たちで課題解決を行う時代になろうとしています。
システムをどのように作るか(作ってもらうか)よりも、システムをどのように活用するか、がより重要になって来ることでしょう。
そのシステムで何ができるかできないかをこれまで以上に理解し、その上でどう活用すればどういった効果をもたらすのか。
これをこれまで以上に思考していくことができれば、課題を解消した後のよりよい未来が得られるのではないでしょうか。
ノーコードシステムのさらなる発展で、高度なITがより身近に感じられるようになり、その結果、より便利な世の中になることに期待しています。
今回の記事では、ノーコードシステムについて、その特徴と秘められた可能性について解説いたしました。
ITでのお悩みは、ぜひBackpedalまでご相談ください。